【不朽の名作】映画「ショーシャンクの空に」で感じた学びや教訓をつらつらと

こんにちは、はるです。
今回は不朽の名作「ショーシャンクの空に」を久しぶりに見たので、あらためて感じたことや得られた学びをまとめました。
筆者独自の観点や感想をもとに、映画の見どころと併せて紹介していきます。
本記事はネタバレを含むため、まだ見たことない人はぜひ見ましょう!笑
「もう見たことあるよ!」といった方々は、ぜひ最後まで楽しみください!
名作『ショーシャンクの空に』とは?

『ショーシャンクの空に』(ショーシャンクのそらに、原題: The Shawshank Redemption)は、1994年に公開されたアメリカ映画。刑務所内の人間関係を通して、冤罪によって投獄された有能な銀行員が、腐敗した刑務所の中でも希望を捨てず生き抜いていくヒューマン・ドラマ。
今から30年以上も前の映画なんだね

何年経っても色褪せない不朽の名作!

ちなみに、原題の『The Shawshank Redemption』の”Redemption”は、「償還、救済、救い」という意味。
直訳すると『ショーシャンクの救い』とでも訳しそうなものだが、そこを「〜〜〜の空に」と表現する先人の翻訳センスは素晴らしすぎますね。
ざっくりストーリー概要(ネタバレ)
主人公のアンディーは優秀な銀行マンでしたが、無実の罪でショーシャンク刑務所へ入れられてしまい、最終的には無事に脱獄を果たすお話です。
しかし、侮ることなかれ。この作品は「いかに刑務所からの脱出を成し遂げるか?」というよりも、「獄中の理不尽しかない環境でも、希望を捨てずに生きた人間の物語」。
ショーシャンク刑務所には長年服役中の受刑者が沢山おり、新入りアンディーは後に親友となるレッドを始め、愉快な仲間達と愉快な刑務所生活を送っていきます。
もちろん刑務所を治めるノートン所長やハドリー主任(現場監督責任的な人)など、監視役と受刑者の対立が何度も発生します。
最後まで希望を捨てず虎視眈々と長年準備をしてきたアンディーが、大逆転的な脱獄を成功させメキシコのジワタネホに辿り着き、最後は親友のレッドとこの地で再開を果たしました。
屈指の見どころ名場面を5シーンご紹介
まずとにかくこの作品が素晴らしいところは、2人の主人公がいることではないでしょうか。
作品の主人公はもちろんアンディー。
そして、物語の主人公がレッド。
「ショーシャンクの空に」では、作品と物語の主人公がそれぞれ別でいると感じました。
物語の語り部がレッドであったことと、物語を通して精神の成長をしたのがレッドだからです。
その前提で本記事の見どころと教訓は進んでいくので、この前提を頭の片隅に置くとスムーズに読めるかもしれません。
順番に解説していきます。
放送室を独占して音楽を刑務所中に響かせる
アンディーは受刑前の経歴を活かした経理財務の知識を武器に、ショーシャンク刑務所の所長や主任らと特別な関係になります。
これは「知識は武器になる」ということを見せつけられたような気持ちになりました。
なぜなら、他の受刑者にはできない税法上の知識を駆使することで、監視側の懐に入り込むことができたからです。
さらに注目すべきは、アンディーが放送室を乗っ取って音楽を刑務所中に鳴り響かせるシーンがあるのですが、当然そのような勝手な行動はご法度。
所長や主任は放送室に駆けつけて今すぐ止めるようにアンディーへ指示をします。
もしここで、アンディーが指示された通りに動いていたならば、アンディーの会計知識は所長らのご機嫌取りのためだったと思わされたかもしれません。
しかし、アンディーは彼らの指示を無視して、音楽を刑務所中に鳴り響かせ続けます。
これによって、あくまでアンディーは所長らに気に入られるため経理を手伝っていたのではなく、己の信念に従って動いていたのだと感じました。
もちろん勝手な行動が容認されるわけもなく、無視した直後に扉を破られ強制的に音楽は止められます。
しかし、言葉ではなく無理やり止められたことによって、アンディーは従順な奴隷になったわけではないと思い知らされます。
モーツァルトと友達
勝手な行動の罰則として、アンディーは刑務所の中でも懲罰的な場所である独房に入れられてしまいます。
そこは長年服役中の受刑者も入りたがらない、暗くて狭い絶望的な場所です。
しばらく閉じ込められたあと復帰して刑務所仲間の元へ帰ってきたアンディー。
仲間が独房の感想をアンディーへ聞いたところ、返ってきた答えが「モーツァルトがいたから平気だった」のような内容でした。
それを聞いた仲間が再度「音楽が聞けたのか?」と問うと、アンディーは自分の頭を指しながら「ああ、ここにね。」という返事をしました。
そして、”音楽は誰にも奪えないんだ”という名言を出します。
さらに”音楽と同様に、希望も奪えやしない”と続けます。
「音楽と希望は誰にも奪えない」という本作品のテーマとも言える言葉が出てきます。
それに対して親友となるレッドが「ここ(刑務所)ではその考えは危険だ。」と警告します。
この作品が素晴らしいのは、作品と物語の主人公が対比的な考え方を持っており、ストーリーを通して交わっていく所だと思います。
確かに、希望は一歩間違えると途端に絶望へと姿を変えます。
レッドはそのことを理解しており、だからこそ友人のアンディーへ危うさを説きます。
しかし、それでもなおアンディーは希望が素晴らしいものだという信念を貫きます。
モーツァルトが友達というジョークから始まり、二人の生きることに対する考え方が垣間見える「ショーシャンクの空に」の中でも屈指の見どころシーンです。
トミー殺害と利害関係
アンディーがしばらく服役していく中で、図書館の増設と受刑者たちへの教育が広がっていきます。
もちろん、それらを主体的に進めていったのは外でもないアンディーなのですが、ある日新人受刑者がショーシャンク刑務所にやってきます。
その中のひとりが青年トミーであり、彼はなんやかんやで高卒認定を取ろうと勉強を始めます。
もともと彼はまともな読み書きも難しいレベルの教養でしたが、一生懸命頑張ってアルファベットから少しずつ学んで成長していきます。
いつしか、トミーの成長がアンディーの次の目標になっていきます。
ある日、重要な真実がトミーの口から告げられます。
その内容とは、アンディーが確かに無実であったというもの。
アンディーはその話を受け所長らに自らの無実を訴えたのですが、彼らは聞く耳を持ってくれません。
それどころか、唯一アンディーの無実を証言できるトミーを呼び出して亡き者にしてしまいます。
このことから、所長らにとってもアンディーは信頼関係の育まれた受刑者ではなく、あくまで都合の良い使える奴隷でしかなかったと思い知らされました。
彼らの中には利害関係しかなく、不都合な真実は武力を以って隠され、理不尽にもアンディーの無実が明かされることはありませんでした。
真実を闇に葬られ、トミーの成長という目標も奪われたアンディーは、これ以上ないくらい絶望を突きつけられたのではないかと考えられます。
しかし、そこまでの理不尽さがあっても、彼は希望を捨てずに脱獄を果たすのです。
手前の拳銃ではなく、その奥のコンパス
アンディーが無事に脱獄を果たしてしばらくした頃、もうひとりの主人公レッドの仮釈放が決まります。
仮釈放は面接によって合否が決まるのですが、作中で3回ほどレッドの面会シーンが見られます。
この面会シーンが「ショーシャンクの空に」の見どころのひとつ。
最初の2回はレッドの仮釈放はREJECT(不採用)で終わるのですが、仮釈放が決まる3回目の面談でレッドの受け答えがまるで変わっており、彼の精神的な成長が見て取れます。
仮釈放後のレッドはかつて受刑仲間のブルックスが辿ったルートと同じように進んでいきます。
ここの描写も個人的に好きなシーンで、ある瞬間までは画角までそっくりに描写されています。
出所後の住処、スーパーでの勤務、社会との疎外感。
ショーシャンク刑務所に長く居すぎたことで、ブルックスもレッドも外の世界への適応力はとっくに奪われてしまっていたのです。
外の世界で居場所のない彼らが思い付くことはシンプルで、「もう一度、罪を犯せばすぐにでも刑務所へ帰られる。」ということ。
彼らにとっては刑務所こそが自分たちの居場所同然となってしまったのです。
そんな妄想をしながらレッドは店頭に飾られている拳銃を眺めていたのですが、ホテルに戻った彼が手にしていたのはひとつのコンパス。
実は店頭に飾られていた拳銃の奥に、ひっそりと置かれていたコンパス。
筆者はこれを見て、レッドが手前にある拳銃ではなくその奥のコンパスへ手を伸ばしたことで、「目先の安直な考えではなく、遠くの希望へ手を伸ばした」と感じました。
さらにコンパスという、自分の居場所や方法を確認する道具であったことも、今後のレッドを暗に示している点が伺えます。
ブルックスとレッドの未来を分けたもの
ブルックスはアンディーたちと仲の良い刑務所仲間でしたが、一足先に仮釈放が決まって外の世界へ出ていきました。
先程のレッドと同様、外の世界の居場所が見つからず絶望し、最終的には自らの命を絶ってしまいます。
このシーンが個人的には本当に泣けるというか、なんとも言えない感情を掻き立てられるシーンでした。
普通は出所して新たな希望を見つけられるはずと思うのですが、自由の代償はある人にとっては耐え難いものなのかもしれません。
ブルックスからの手紙を読むシーンがあるのですが、ここが本当に切ない。
刑務所仲間で色んな意見が交わされるのですが、レッドはブルックスの気持ちを汲み取り、他人事ではないような感想を述べます。
そして、自身もブルックスと同じ道を歩みかけるのですが、ブルックスとの決定的な違いは「アンディーとの約束」があることでした。
この約束が筆者としては「希望」そのものに感じられました。
アンディーとの約束はシンプルなもので「もし仮釈放が決まったら、指定された場所に来てくれ」。
レッドはコンパスを片手にアンディーと約束した場所へ向かいます。
レッドが指定の場所につくと箱が置かれており、中にはお金の入った封筒とアンディーからの手紙が入っていました。
手紙にはアンディーが出所後に過ごしたい場所と語っていた「ジワタネホ」へ、調達屋のレッドが必要だから来てほしいという、彼を誘う文章が書かれていました。
この手紙こそがレッドの新たな希望になったと筆者は思いました。
アンディーという親友、自分の役割、そして刑務所内で思い描いた希望の地。
これらの存在がブルックスとレッドの明暗を分けたと言っても過言ではないと考えています。
まとめ:誰にも奪えない永遠のもの
「ショーシャンクの空に」ではふたりの主人公が織りなす「希望」をテーマとした作品です。
最初から最後まで希望を捨てずに、淡々と準備をし続けていたアンディー。
そのアンディーと出会ったことで、精神の成長とともに希望を手に入れたレッド。
この対比的なふたりが最後に約束の地で再開を果たす。
どうやって脱獄するのか?のドキドキハラハラに焦点を当てるのではなく、人の精神とどんな理不尽な中でも諦めず希望を勝ち取る姿こそが、「ショーシャンクの空に」を名作たらしめる真髄ではないかと思います。
さて、ここまで読んでくださりありがとうございます。
あなたもアンディーたちと一緒に、「誰にも奪えない永遠のもの」を見つけてみませんか?